2013年5月11日土曜日

本気になる力、仲間を作る力

ひとつ前のエントリーで卒論チーム向けてエールを送りました。
その続きです。

仕事の合間、休憩がてら、パワポでこんなの(↓)を作り、ガリラボのホワイト
ボードに貼っておきました。作者不詳です。Facebookでシェアされていたものです。



こんな格言的なもの徐々に増えてきて、理性的な研究室というより、精神論を
前面に出した企業の開発現場みたいにガリラボがなりつつあります。^^;
ちょっと方向が違っているような気がしないでもないですが、みんなが飽きた
ら剥がしましょう。^^;

さて、実力の差は、努力の差だそうです。思い当ります。
一昨日、4年(10)吉村と辛島が作っていた他者からの評価の方程式
出てくる「実績」とは責任感の違いから生じてくる。
これが正しいならば、期待値を超えるためには、強い責任感を持つ必要が
あることになります。
アルバイト的感覚でいると、高い実績は達成できないということになります。

人格の差は苦労の差。高い実績を上げていく人は強い責任感のもと、苦労も
してくるでしょうから、その過程で気配りや他者へのいたわりなどの重要性を
知り(それがないとチームで仕事が出来ず、結果、実績が上がらない)、優れた
人格にもなっていきそうです。
これは、私がよく言うリーダーシッポ論にも近いものがあります。
さらに実績を上げていく人は、やることが真剣でしょうから、知恵も出て(だから
実績も上がる)、そして中途半端でないわけですから愚痴などいうこともないで
しょう。ましてや、言い訳など、そんな下品な行為はすることもありません。
これまでの経験上、沢山言い訳をしている人に限って、それまでに何もやって
いない人がほとんどでした。
真剣にやってきた人は、ある種の自信があるわけで、言い訳とかする必要も
ないでしょう。
そんな感じの人だから良い人格も形成されていき、結果、良い顔にもなって
いくのではないでしょうか。
良い顔とは、いわゆる物理的な顔立ちとかとは無関係。
物理的な顔立ちに、心ある人たちは惹かれることはあまりない(だろうと思います)。
人間が感じる美しさとは、物理的な形相ではなく、人の場合はその「躍動感」や
「前向きさ」の中にあると思っています。

判断の力の差は、情報の差。これは選択の科学を書かれたシーナ・アイエンガー
さんが言われていることです。
昨年のキャリア形成論では、シーナ・アイエンガーさんの言う情報に基づく直感と
いう話をしました。
すごく大切なことだと思うのですが、機が熟していないせいか、または説明が悪い
のか、どちらかでしょうが、1年生には話が伝わった気がせず、将来必要になって
いくはずの直感(判断力)を養っていく行動に至らないようです。
ガリラボのゼミ生は、是非とも社会人になってから、その力を発揮していくよう、
今から訓練をしていってほしい。
誰がどう考えても、就職した後の人生の方が遥かに長いわけです。
そこで使える道具を身に付けていくことは悪くはない。

いつやるか?
もちろん時間のある学部学生の間、あるいは(ちょっとPRをすると)大学院にお
いてやっていくのも悪くない。
就職すると、仕事に追い回され「理論なき実践は盲目である」状態になることが
往々にしてあります。
仕事に熟達はしていくでしょうが、それは優れた判断力を養うこととイコール
ではないのです。
大学院というところの意味は4月14日のエントリーで書いてる通りです。
再掲します。
  学部の時に身に着けるとよいのでしょうが、無理ならば大学院でという手もある。
  文系の場合、大学院は就職に不利だからと行く意味はないと考えられていて、さらに
  そのことを当の大学の教員自体が思っているふしがある。
  なんという視野の狭さでしょう。
  あたかも「大学という牢屋」に囚われているかのようです。
  社会人として大きく活躍していくべき若い世代を、そんな視野の狭さで捉えては
  いけないように思います。
  人生は意外に長い。
  その長い人生をどう生きていき、そしてどの時代を射程にしていくかが重要では
  ないかと強く思います。

最後に、本気ということ。
本気でやっていけばどの時期だろうが、対象が何であろうが基本的には面白い。
VHSビデオを開発をした高野さんが、会社を定年で辞めるとき、
  夢中でしたね  夢中っていうのは
  たいへんすばらしいことだと思う
  神様がね  こんなすばらしい人たちを
  私の周りに置いて下さった
  ぜひ皆さんも  何でもいいですから
  夢中になってください
と会社の人たちに向けスピーチされている様子がNHKの番組「Project X」の
エンディングで流れたことを鮮明に覚えています。
働く先の選択は、面白いかどうかが大切でしょうが、それは要するに働く先の
問題ではなく、自分が本気になる才能を持っているかどうかにかかっている。
そして一緒にそれをやっていく仲間を作っていく才能にかかっている。
働いていく力とは、本気になる力、仲間をつくっていく力とかが実は非常に大切
なのではないかと思います。
4年生は、卒論という、たぶん人生で初めて、長期に亘るチームでの真剣な場に
今います。
上記能力の開発にすごく適した貴重な場になるだろうと思います。
ずっと先の自分への投資となるでしょう。

合間の休憩と言いながら、すごく長くなってしまいました。
作者不詳の上記格言を、自分なりに、多様な視点から解釈してみるといいでしょう。


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