2013年5月13日月曜日

雑談のすすめ

昨年の今頃、何をやっていたのだろうかと思い、ガリラボ通信を読み返したら、
なんとすでに玉名市天水のフィールドワークに3・4年・院生合同で出かけてい
ました。
そしてそれが2012/5/13の新聞に大きく取り上げられていました(こちら)。

もっとも今年もチームたまなは5月5日には天水のミステリーウォークに参加
しているので(こちら)、似たような展開はしているのですが、何かですね、少し
物足りなさを感じるのです。

この「物足りなさ感」の原因は何だろうと、静かな(!)ガリラボでじっくりと内省を
してみましたら、何となくわかりました。

無駄話(雑談)が昨年と比べると不足しているんです、恐らく。
定期的な打合せはしています。それは十分に。
だけど、雑談が少なくなっている。

随分前のガリラボ通信で糸井重里事務所のことに触れていて、
 無駄話から全てが生まれる!(2009/11/10)
とのタイトルをつけています。
明日の広告を書いた佐藤さんも、無駄の効用を強く書いておられ、それは、
昨年のガリラボ通信の中で触れています。
 「そうそう、そういえば・・・」といったやりとりが簡単にできる
 環境の大事さ(2012/10/14)
無駄のない効率のよい打合せの場合、
  無駄話を延々とだるくなるくらい続けた挙げ句、思いも寄らないくだらない話が
  元の話と結びついて、ビヨ〜ンとクリエイティブ・ジャンプするときのあの快感
そんなことが起きにくいのです。
今感じている物足りなさの理由はこれだろうと思います。

昨年だともうこの時期には3年生との無駄話を始めていたようです(2012/5/18)。
メンバーを見て気づきますが、その人たちが、その後のガリラボの活動の中心的な
存在になっている!
今年はまだ3年生とはその関係になれていないですね。
早くそうした機会を作っていかねばと思いつつも、つい時間的に・・・。orz

2009年9月に発行したゼミ新聞5号に依頼されコラムを寄稿しました。
そのタイトルが、今回のエントリーに使った「雑談のすすめ」です。


参考までに全文掲載しておきます:
 私は、研究室でお喋りもするが、それ以上に好んで会話をする。総合管理学部教員の中
 ではゼミ生との会話量は図抜けて多いはずだ。一日のほとんどをゼミ生との会話で終わる
 ことも珍しくない。会話はお喋りともディベートとも違う。会話の面白さは、自分の持
 っている概念が相手のコトバによって変化を受けることにある。そんな躍動感のある会話
 を「コミュニケーションダイナミクス」と呼ぶ人もいるが、津曲研究室ではそんな難しい
 コトバは使わない。「雑談」と呼ぶ。
 雑談でやりとりされるコトバの刺激によって、互いの知識は修正され、さらには加算や
 減算といった演算さえも行われる。そんなプロセスが進行していくうちに、当初予想もし
 なかったアイデアにたどり着くことがよくある。それが雑談(=創造的会話)の面白さで
 あり、凄いところだ。雑談は、さまざまな知識を材料に新しい知識を生み出す設計作業と
 同じである。このため、真剣に雑談している人たちは、新しい知識を協同で設計する知識
 エンジニアと考えることができるだろう。
 そんな雑談を支援する道具が津曲研究室(ガリラボ)という環境に他ならない。環境が
 ない所に雑談なる高尚な遊びは生まれない。ゼミ生は、この環境に参加する資格を持つ
 (難しいコトバだが、これを「正統的周辺参加」と言う)。アカデミックな雑談をする機
 会は卒業してしまえば激減する。多様な知識が埋め込まれている研究室は雑談に適した場
 だ。そんな場を求め、卒業してからでも顔をだしてくれるOB/OGもいる。津曲研究室
 での雑談を利用して一緒に知識の階段を昇って行きましょう。

雑談は無駄と思えるほどそこにいて「そうそう、そういえば・・・・」という時でないと
生まれにくいものです。
その時が新しい活動を生み出す何かが生まれていきます。
最近の人は除き、少し前の人を思い出せば03ゼミ生では佐藤・菅原、04ゼミ生
では井口、05ゼミ生では山口、06ゼミ生だと中村とかだったでしょうか。
07以降は省略。これ以外もたくさんいましたが、一応、代表的なゼミ生ということで・・・。
これらの無駄にガリラボにいた人たちと「そうそう、そういえば」という形で生み出し
てきたアイデアは数限りない。
それらがガリラボの文化遺伝子になり、ガリラボを発展させていってくれました。

だから今年のガリラボも、糸井事務所や佐藤事務所のように、
 無駄な雑談をするためには「親密で時間制限なくいられる空間」
という場所にしていきたい。
そう思っています。
そのためには、時間を工面しないと、と今切実に思っているところです。
アイデアを生み出すための空間である研究室だからなおさらです。

この一ヶ月だと、真剣な雑談をしてきたのは4年生(10)の一部とだけかな、
記憶に残っているのは。
色々なゼミ生と、これからもたくさんのクリエイティブ・ジャンプを体験して
いきたいものです。
そのために合理性はあえて捨て「雑談」を積極的にしていきましょう!
有効な無駄な時間を共有していきましょう。
おしゃべりではなく雑談!
それは、大人になるということでもあります。(エビフライのシッポ!?)
 
 

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