2012年3月20日火曜日

「学ぶ」から「学ぶことを学ぶ」へ

風邪で鼻がつまり、そのせいで頭がボーとして、だから普段以上に頭が
役に立たず、しかし目の前には電子書籍について活動した報告書を時間
のあるはずの今日中に仕上げるとのノルマを先週課していたため、それ
を破るわけにもいかず、PCの前で三重苦に近い苦しさを味わっているとき、
ある方からの清々しいメールの最後に、

  いつもガリラボ通信に新たな考えを求めて読ませて頂いてます。
  今日はどんな発見を共有させて頂けるのか楽しみです。

とメッセージが添えてあり、これを見て単純に嬉しくなりその勢いでどうにか
報告書を仕上げることができました。
感謝 m(_ _)m

頂いたメールで気を良くしたので、その方に向けて、そして何よりもガリラボ
生に向けて、前から気になっていた次のビデオを紹介したい思います。

1分20秒ぐらいの映像です。タイトルに「イチロー驚異の運動能力」とあります。





いかがだったでしょう?









あのイチロー選手がですね、かなり下手くそですね。
だいたいフォームがぎこちない。笑
ぼくは野球しかできなんですよ、とか発言したりしています。

ほんとそれぐらい不格好でしたが、しかしですね、この発言を単純に真に
受けてはいけない。
もうちょっと深読みした方がいい。
だって、あれだけの野球のスキルを持っている人なんですからね。

イチロー選手って野球しかできない単なる野球バカなのでしょうか?
どう思います。

(断言しますが)彼は何でもできる(ようになる力を持っている)。

だいたい、天性の素質で登り詰められるのは、せいぜい高校生で全国大
会に行くぐらいのものでしょう。
それぐらいだったら練習もせず、天性の能力だけで何とかなる気もします。

しかし、そこからは違う。
さらにイチロー選手がいるところは、プロ野球の世界で、高給を狙って激烈な
競争をしているで場所です。
そんなレベルにおいて、天性の素質などさほどの役に立たないことは容易に
想像できます。
世の中、そんなに甘いものではない。
もちろん天性の素質が起点にはなるのでしょうけど、しかしそこから次のレベ
ルへ、次のレベルへと努力を着実に積み上げて、カタチにしていくスキルがない
といけない。
そうでないとあんなに高いレベルに到達できない。

私はコンピュータの発展についての授業で、イチロー選手の次の言葉を紹介
することがあります。
  夢や目標を達成するには1つしか方法がない。
  小さなことを積み重ねること。
当初ENIACのような巨大な施設のような機械がiPadのようなものへと驚異的な
進化を遂げたわけですが、その進化を支えたのはエンジニアたちが少しづつ
先人を乗り越えてきた結果でした。その説明に上の言葉を比ゆ的に使わせて
もらっています。

イチロー選手の重要なところはこの「小さなことを積み重ねていく方法」を身に
つけているということだと思います。
それがプロの世界での超一流のプレイを生み出した。
どう努力していけば、自分の能力が向上しくのか、そのコツが分かっているのです。
努力を成果につなげていく能力を形式的にも(頭でも)、暗黙的にも(体でも)、
身につけているのだと思います。

で、上のバスケットの話に戻りますが、恐らくしかもこの能力は、他の分野に持ち
込める「ポータビリティ性」を持っている。
全てに応用できるほど完全なポータビリティ性かどかはもちろんわかりませんが、
少なくとも同じ身体運動であるスポーツであればその能力は持ち運べると考えて
そう間違ってもいないでしょう。

そうするとですね、ぼくは野球しかできなんですよ、というあの発言はそのまま
受けってはいけないことはすぐにわかります。
今は」という時制をつけて読む必要がある。
時間さえ与えられれば、進歩していくためのポータブルな能力を持っているわけ
ですから、バスケットもかなり高いレベルまで到達できるのではないかと思うのです。

長くなりました。ここから、(誰も知っていることですが、しかし誰ではなかなか持ち
合わせていない)こんなことが言えますね:
  努力することを自分のスキルとして身に付けた人は強い
私自身がそれほどのスキルを持っていないのにここにこんなことを書いていくのは
気の引けることなのですが、恥を恐れず続けますと、そのスキルを身につけるのは、
小さな成功/失敗体験を繰り返していく、ということ。そして、その体験を通して、自
分の中でPDCAサイクルを回していく。
そういったことが必要ではないか、と。
そうした行為を繰り返していけば、平面上を単にぐるぐる回る単純なサイクル(回転)
運動から、徐々に2次元平面から3つ目の軸を手に入れ、回転運動に縦軸が加わって
平面運動がらせん運動に変っていくのだと思います。

目の前にある課題に対し、考えて、具体的に行動し、(ここが重要⇒)それがどうだっ
たか反省し、その反省した結果をもとに自分の考え方や行動に改善を促し、次の
課題を見つけていく
大それたことではなく、日々の中にある小さな課題について、それを繰り返して積み
重ねていくことが大事なのだと、イチロー選手はそう言っているのだと思います。

キャリアセンターが開設された時、1年生全員向けの記念シンポジウムを行いました。
09ゼミ生(現3年)が1年生の時ですから、もう3年近くも前のことです。
そのシンポジウムのパネリストとして参加していただいた環境共生学部出身の卒業
生が、学生時代にやるべきこととして、特に大それたことは必要なく、要するに目の
前の課題をきちんと解決していくこと、そういった発言をされていました。
行動し、それを反省し、そして次につなげていく。
学生時代はちっぽけなPDCAサイクルだろうけど、それを繰り返していけば大きなサ
イクルになっていく。
会社というところでは、そのサイクルが単に大きくなっているだけ。学生の時にやる
ことと何も変わらないのだと、そうした趣旨の発言だったと思います。
(3年前のことでうろ覚えですけど)。


学生時代にやるべきことは、単に学ぶのではないのです。
それだとPとDぐらいしかない。
どうしたら学んでいけるか、自分なりのPDCAサイクルの回し方=学び方を学ば
ないといけないのです。
それが「働き続けていく力=就業力」にほかならない。そう思います。

そのための場をガリラボにはたくさん用意しているつもりです。
その場(一昨日のガリラボ通信で比ゆ的に用いた窓ガラスような存在ですが)、そ
れが見えるかどうかは、単に学ぼうとしているだけでなく、学び方を学ぼうとするよう
になって初めて見えてくるのではないかと思います(違ってるかもしれません。ここは、
自信がありません 笑)。


さっと全体を通して読み直すと、毎度似たようなことを書いている気がします。
ま、重要なことは何度でもと言います。
一応参考までに。

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