2012年3月31日土曜日

3つの手紙から思う無色透明な水について

つい先日、3年生(09)から次のメールをもらいました。
掲載の許可は本人からもらいましたが、念のため、個人を特定で
きにくいよう内容を少し修正しています。
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さて、この春休み、例の宿題が、いつの間にか習慣となって
それ私の中で様々な意味を持つようになりました。
最初はなんとなく始めたことですが、それがガリラボへと顔を出す
(半強制的な)動機付けになり、さらには一日を振返る時間を作る
ことにも繋がりました。
最初はトンボ帰りも多かったですが、ガリラボに通うことで、
先生を始め、多くのゼミ生と就職活動の話や雑談をしたり、
時にはガリラボを掃除したりと、充実した春休みを送れたと思います。
多分ガリラボに通ってなかったら、私の就職活動は悲惨だったと
思います。
キャリアセンターにも行ってなかったと思いますし…(苦
4年生になると就職活動が忙しいことや授業がない関係で大学に
行く機会も減りますが、08生の追いコンに参加して、1年後には
自分も卒業するのかと思うと、一日でも長くガリラボにいたいと
強く思いました。
そんな意味でも、今回のこの宿題は私にぴったりの
動機付け(大義名分?)を与えてくれたのだと思います。
4年生になっても、この習慣は続けたいと思いますので
(いい加減就職大丈夫かと思われるかもしれませんが)
これからもよろしくお願いします!
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宿題というわけでもなく、自主的なことだったのですが、しかしそれが
休み期間中、大学に足を運ぶ動機づけになったとあります。
また「大義名分」という表現も使ってあります。
実は、この大義名分のことを学習理論では「正統性」と呼ぶことが
あります。
実は、様々なことを学ぶ際、この「正統性」が決定的に重要であることを
その学習理論(ガリラボの大学院で勉強してもらっている理論です)では
指摘されています。
正統性をもったとき、ある条件が整えば、学習は急速に進み、自分が
考えている以上に多様な深いレベルのことを学ぶのです。

その理論の具体例を上のメールは的確に表現しているなぁと思ったので、
ぜひ掲載させてほしいと頼みました。
快く引き受けてくれました。感謝。

学びは、コミュニティにおいて生じます。そのコミュニティにいるために
必要なのは正統性です。

なお、ほぼ毎日会っていると、単純接触効果によって、親近感がかなり
アップします。
なので、色々とものを頼みやすくなります。
そのこと自体がある種の学習を引き起こすことになり、その後、互いに
予想もしない展開につながっていくことが多いように思います。
たまにしか会わない相手とはやはり儀礼的になり、学びにまでははなか
なかつながりにくい。
そう思います。
毎日来て、ガリラボ水槽に溶け込んでいる社会関係資本という目には
見えにくい栄養分を吸収してほしい思います。


そうした栄養分を吸収した卒業生から手紙をもらいました。


M2(10)松尾からです。
昨日(3/30)が学生最後の日ということで、その日に渡したかったということ
でした。
手紙には、ガリラボでの学部2年間、院2年間(合計4年間)のことが綴られ
ていました。
松尾らしい丁寧な文字で、便せん3枚にびっしりと色々なことが書かれて
おります。
松尾も、院生室がありながら、意図的にガリラボに毎日のように顔を出し
ていました。
学習理論を知っていることもあったからでしょうが、そのおかげで、多様な
学びに接したのではないかと思います。
最初は新参者として、院生になってからは兄弟子として、様々な参加の軌
道の中で松尾というアイデンティティ(人格)を形成していったはずです。
本当の学びとは知識の受け渡しのような単純なものではなく、参加の中で
人格を変えていきます。
松尾の手紙にはそのことにも触れてありました。



卒業式の直後にもうひとつ手紙をもらっていました。
OG(08)川崎からです。
便せん5枚の手紙でした。

大学でのこと、ガリラボでのことがたくさん綴られていました。
あまりに感激し、返事を書けないでいます。
(何も返信がないので川崎は不審がっていると思いますが、そういう
理由ですので、許してほしい)
ゼミ新聞の編集で遅くまで残っているとき、だいたいそんなときに限って、
夜遅くまで雑談することが多く、相手が聞き上手な川崎なので、おかげで
秘密にしていた私の知識はたくさん盗まれしまいました(笑)。
コミュニケーション能力とは話す力というよりも、傾聴力がどちらかというと
重要ですが、その部分が特に優れている川崎だったと思います。
川崎の手紙の最後の方に、
  私はゼミという透明な水の中で成長できたでしょうか?
との問いかけがありました。
ガリラボの水は、放任主義ゆえ、無色透明!
ただし、社会関係資本と言う無色の栄養素だけは溶け込んでいます。
無色透明ゆえに、泳いでる他の人たち(同期、先輩、後輩、卒業生、社会人)
が良く見えます。
これは他の多くのゼミでは難しいガリラボが持つ強みだと思っています。
様々なスタイルで泳ぐ、そういった個性豊かなガリラボの住人たちを横目
で見ながら、一緒に泳いだわけです。
聡明さに磨きがかかったはず。保証します。
以上、こんな形の返事となりましたが、どうか許しいてほしい。


3つの手紙をもらい、教師稼業とは悪くないもんだと思いました。
どうもありがとう。


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